ソニー FE 24-70mm F2.8 GM II (SEL2470GM2) レンズレビュー
ソニーのG Masterシリーズは、妥協なき光学性能と先進の技術を融合させた、プロフェッショナル向けのレンズ群として確固たる地位を築いています。その中でも、標準ズームレンズとして高い人気を誇る「FE 24-70mm F2.8 GM」の第2世代モデル、「FE 24-70mm F2.8 GM II (SEL2470GM2)」は、その前身の成功の上にさらなる進化を遂げ、現代のミラーレスカメラシステムの要求に応えるべく設計されました。本レビューでは、このレンズがどのようなシーンで真価を発揮し、ユーザーに何をもたらすのかを、客観的な視点から評価します。
まず、このレンズの最も特筆すべき点の一つは、その驚異的な軽量化と小型化です。わずか693gという重量は、フルサイズ対応の開放F値2.8通し標準ズームレンズとしては画期的な軽さです。前モデルと比較しても大幅な軽量化が図られており、長時間の撮影や手持ち撮影における身体的負担を大きく軽減します。ミラーレスカメラの小型軽量ボディとのバランスも良好で、システム全体の機動性を向上させます。これにより、ウェディングやイベントなど、動きの多い現場で長時間レンズを装着し続けるプロフェッショナルにとって、この軽量性は大きなアドバンテージとなるでしょう。
光学性能に関しては、G Masterの名に恥じない卓越した描写力を実現しています。20群16枚のレンズ構成には、超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズ2枚、非球面レンズ3枚、ED(特殊低分散)ガラス2枚、スーパーEDガラス2枚といった特殊レンズが贅沢に配置されており、色収差や諸収差を効果的に抑制します。これにより、ズーム全域で画面中心から周辺部まで一貫して高い解像性能を発揮し、被写体の微細なディテールまでシャープに描き出します。特に、風景撮影で求められる広角端での周辺解像度の高さや、ポートレート撮影で重要な中望遠域での自然な描写は、このレンズの大きな強みと言えます。
また、美しいボケ味もG Masterレンズの大きな魅力の一つです。本レンズは11枚の円形絞り羽根を採用しており、開放F値2.8という明るさと相まって、被写体を際立たせる滑らかで自然なボケ表現が可能です。特にポートレート撮影においては、被写体の背景を柔らかくぼかし、立体感のある描写を可能にします。F値2.8通しであるため、ズーム位置に関わらず一定のボケ量を保つことができるのも、撮影の自由度を高める要因となります。
AF性能においても、現代のミラーレスカメラの高速化に対応するべく、大幅な進化を遂げています。高度なリニアモーターを搭載することで、静止画・動画を問わず、高速かつ高精度、そして静粛なAFを実現しています。インナーフォーカス方式の採用により、フォーカシング時にもレンズ全長が変わらないため、重心移動が少なく、ジンバルなどを使用した動画撮影でも安定した運用が可能です。インナーズーム機構も同様に、レンズ全長が変わらず、動画撮影時や低位置からの撮影時など、安定した操作性を実現します。
操作性に関しても、プロフェッショナルの厳しい要求に応えるための工夫が凝らされています。クリック切り替えスイッチ付きの絞りリングは、静止画撮影時にはクリック感を伴う段階的な絞り調整を、動画撮影時にはクリックなしの滑らかな絞り操作を可能にします。さらに、AF/MF切り替えスイッチやカスタマイズ可能なフォーカスホールドボタンも備え、迅速な操作をサポートします。防塵防滴に配慮した設計と、レンズ最前面に施されたフッ素コーティングは、過酷な撮影環境下での使用を可能にし、メンテナンスの手間を軽減します。
このレンズが特に輝く使用例としては、多岐にわたります。
- プロフェッショナルなイベント・ウェディング撮影: 開放F2.8の明るさは、暗い室内や夜間の撮影でもISO感度を抑えつつ、シャッタースピードを確保できるため、動きの速い被写体も確実に捉えることができます。軽量性も相まって、長時間の撮影に貢献します。
- ポートレート撮影: 70mm端での圧縮効果とF2.8の美しいボケ味は、被写体を印象的に際立たせ、奥行きのある表現を可能にします。
- 風景撮影: 24mmの広角端から70mmの中望遠までをカバーし、ズーム全域での高い解像性能は、広大な景色から細部の描写まで、幅広いシーンに対応します。防塵防滴性能もアウトドアでの使用に適しています。
- ストリートスナップ: 汎用性の高い焦点距離と、比較的コンパクトなサイズ感は、突然のシャッターチャンスにも対応しやすいでしょう。
- 動画撮影: インナーズーム・インナーフォーカス、クリック切り替え可能な絞りリング、高速・静粛なAFは、プロレベルの動画制作にも最適なツールとなります。
一方で、留意すべき点もいくつかあります。レンズ内手ブレ補正機構は搭載されていませんが、多くのソニー製カメラボディがボディ内手ブレ補正(IBIS)を搭載しているため、実用上の問題は少ないでしょう。また、82mmのフィルター径は、大型のプロフェッショナルレンズとしては標準的ですが、フィルターのコストは高くなる傾向にあります。
総合的に見て、ソニー FE 24-70mm F2.8 GM IIは、前モデルの性能をあらゆる面で凌駕し、特に大幅な軽量化と小型化によって、その汎用性と機動性を飛躍的に高めたレンズです。卓越した光学性能、高速かつ高精度なAF、そしてプロフェッショナルが求める操作性を兼ね備え、静止画・動画を問わず、幅広いジャンルのプロフェッショナルやハイアマチュアの要求に応える、まさに「現代のワークホース」と呼ぶにふさわしい一本です。このレンズは、最高峰の描写力と携帯性を両立させたいと願うユーザーにとって、極めて魅力的な選択肢となるでしょう。
